バッカスBTE-1/M BDのトーンコンデンサ交換とハイパスキャパシタ導入&比較 「比較編」

2015年2月27日金曜日

t f B! P L
前回の作業に続きまして、後編に参ります。
前回の内容はこちらの記事を参照ください。


さて、ハイパスキャパシタによるボリュームの変化と、オレンジドロップの交換によるトーンの変化はいかがなものだったのか。

音響にくわしいわけでもなんでもないのですが、今回行った比較方法は以下のとおり。

1,10秒ほどの同一フレーズを弾く。

2,ポットの設定を①フルアップ、②トーン3、③ボリューム5、④トーン3&ボリューム5の4パターンにして、フロント、リアのピックアップごとに録音。

3,使用したアンプはYAMAHAのTHR10、プリセットのユーザーメモリ3番を使用しstudio oneというソフトで録音し、wavファイルをエクスポート。

4,聴感による判断だけでは客観性に欠けると思われるため、ソフトウェアを用いスペクトルの測定で比較を行った。使用したソフトウェアは高速リアルタイム スペクトラムアナライザーWaveSpectraというソフト。

5,それぞれWaveSpectraで読み込み、ピークホルドで残ったデータを使用した。


まず音源はこのようなもの。リアピックアップだけ一応soundcloudにUP。
大した演奏ではないのでスルーして構いません。はい。
https://soundcloud.com/taka-nemo/sets/test


それでは、データによる比較は以下。
赤線が交換前、青線が交換後。

●ポットのフルアップ時。
リアピックアップ

フロントピックアップ
さすがにフルアップなので、聞いた感じでは全く変わらない。
スペクトルもほぼ同一といって良い感じ。


●トーンを3まで絞った状態
リアピックアップ

フロントピックアップ
高音域は削られているものの、トーンの変化を期待したのだが、予想に反してほぼ変化なし。
残念ながら、聞いた感じでも音色の差は感じられなかった。

どれくらい高音が削られるのかという比較は以下の画像のとおり。
フルアップ時の画像の色を反転して、重ねてみたものの結果が以下。
2kHzあたりから高音が削られているのがわかった。
リアピックアップのトーン3とフルアップの比較。緑と黄緑のラインがフルアップ時。

●ボリュームを5にした状態
リアピックアップ

フロントピックアップ
これは明らかな変化が見られる。ボリュームを絞っても高音域が残っている。
聴感上でも明らかに違いがわかった。

フルアップ時との比較は以下のとおり。
低音部の出力は低下しているが、高音がボリュームポットをスルーし出力されているのがわかる。青のスペクトル線がフルアップのものと重複して白くなっていることからもよくわかる。
リアピックアップのボリューム5とフルアップの比較。緑と黄緑のラインがフルアップ時。
●ボリューム5、トーン3にした状態。
リアピックアップ

フロントピックアップ

見ての通りこれも違いが明らかにわかる。

交換&導入前はボリュームポットを絞ることによる高域減衰とトーンの高域減衰で一番こもった音になっているが、交換後はハイパスキャパシタの影響で高域が残っているのが確認できる。


●最後に
ハイパスキャパシタの影響はある程度予想はできていて、もともと何もなかった部分に新たに取り付けたので、変化が現れるのは間違いないだろうと考えられたため。結果はほぼ予想通り。
見事にハイパスしてくれました。

トーンコンデンサの方は、コンデンサの違いで音色がガラッと変わるのかどうなのか、半信半疑だった。結果、音色はほとんど変化を感じられず、期待はずれと言うかなんというか。ちょっと意味を見出せずに終わってしまった感がありました。
もしかすると交換前も同じ静電容量だったのかもしれない。
となると、別な静電容量のコンデンサも試してみたくなる・・・
というところで、今回の記事を終えることにします。
あとは気持ちの問題かもしれない・・・

そして素晴らしいソフトウェアを開発してくださった方々に感謝。

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